01
O(1) → CFS → EEVDF

Ingo Molnár / Peter Zijlstra ほか

Red HatIntelGoogle・AMD・Ampereほか

O(1)とCFSは、Red Hat所属だったIngo Molnárが中心でした。EEVDFの中核パッチはPeter Zijlstraが著者です。その後もGoogle、AMD、Ampereなどの開発者が修正や試験へ加わっています。

02
namespace

Al Viro / Eric Biederman / Serge Hallyn ほか

IBMLinux Containers独立開発者

mount namespaceから始まり、PID、network、userなどへ何年もかけて広がりました。IBMの研究者を含むチームは、仮想サーバーとcheckpoint/restartの両方を背景として説明しています。

03
cgroup v1 / v2

Rohit Seth / Paul Menage / Tejun Heo ほか

GoogleBull・SGIRed Hatほか

v1の核はGoogleのSethとMenageが『process containers』として提案しました。土台にはBullとSGIが育てたcpusetもあります。v2はTejun Heoを中心に統一階層へ組み直されました。

04
KVM

Avi KivityとQumranetのチーム

QumranetRed HatCPU・クラウド各社

KVMはイスラエルのQumranetで開発され、Linux 2.6.20でメインラインへ統合されました。Red Hatは2008年にQumranetを買収し、開発チームとKVMを自社の仮想化戦略へ迎えました。

05
virtio

Rusty Russell

IBMKVM・lguestほか

IBM所属だったRusty Russellは、仮想化方式ごとに別のI/Oドライバを持つ問題を示しました。virtioは、複数のハイパーバイザで共有できるI/Oインターフェースとして設計されました。

06
MGLRU

Yu Zhaoとメモリ管理コミュニティ

GoogleAndroidLinux MM

提案者Yu Zhaoのパッチはgoogle.comの所属表記を持ちます。評価対象にはAndroid、仮想マシン、memcached、MongoDBなどが含まれました。

07
PREEMPT_RT

Thomas Gleixner / Sebastian Siewior / Steven Rostedt ほか

LinutronixLinux FoundationOSADLBMWIntel

約20年の開発を共同プロジェクトが支えました。Linux Foundationの記録には、BMWの車載用途への関心、OSADLへの参加、IntelとBMWによる資金面の補完が残っています。

08–B

日本企業の活動を時期と領域で見る

サーバー、家電、車載、社会インフラ

カーネル開発パッチとメンテナー
Linux Foundation会員・理事・共同プロジェクト
製品での利用サーバー・家電・車載・社会インフラ
日本企業のLinuxへの関与時期富士通、NEC、日立、NTT、ルネサス、ソニー、東芝、パナソニックについて、公開資料で活動を確認できる期間を示す。公開資料で継続的な活動を確認できる期間200020052010201520202025富士通2000年代前半〜2010年代前半NEC1999年〜現在日立1990年代後半〜2010年代NTT・NTT DATA2003年〜2010年代ルネサス2006年頃〜現在ソニー2000年代〜現在東芝2011年〜現在パナソニック2011年〜現在
2000年代前半〜2010年代前半

富士通

J1
カーネル開発LFスポンサー
メモリ管理NUMA・CPURASトレース

大規模サーバーPRIMEQUESTを背景に、メモリホットプラグ、memory cgroup、スケジューリングドメイン、MCE、トレースへ取り組みました。2009年のLinux Foundation調査にも、開発者を支える企業としてFujitsuが記録されています。

1999年〜現在

NEC

J2
カーネル開発LFプラチナメンバーユーザー企業
メモリRAShotplugファイルシステム障害解析

エンタープライズ利用を目的に1999年から参加しました。memory cgroup、ext4、cc-NUMA、kdump、hotplug、ACPIを扱い、2014年以降はHWPOISONのメンテナも担いました。

1990年代後半〜2010年代

日立

J3
カーネル開発LFスポンサーユーザー企業
kprobesトレース障害解析高信頼化

基幹システムの障害解析を軸に、LKST、kprobes、djprobeなどの観測技術を開発しました。日立のMasami Hiramatsuらによるdjprobe論文には、プローブ処理の負荷を下げる目的と実装が記録されています。

2003年〜2010年代

NTT・NTT DATA

J4
カーネル開発ユーザー企業
LSMTOMOYONILFS

NTT DATAは2003年からTOMOYO Linuxを開発しました。15回の提案を経て、Linux 2.6.30でメインラインへ統合されました。同じリリースでは、NTTサイバースペース研究所のNILFSも統合されました。

2006年頃〜現在

ルネサス

J5
カーネル開発半導体企業AGLメンバー
SuperHARM・RISC-VR-Car各種ドライバ

自社SoCでメインラインLinuxを動かすため、アーキテクチャ、Device Tree、電源管理、映像などを継続して上流へ送っています。現在のMAINTAINERSにもRenesas SoCの専用領域とメーリングリストがあります。

2000年代〜現在

ソニー

J6
ユーザー企業LFスポンサー開発基盤
組み込みLinux起動時間テスト開発者会議

家電でLinuxを使う立場から、起動時間の研究会、Fuegoテスト、Embedded Linux Conferenceなどの開発基盤を支えました。2011年にはLTSIへ参加し、製品寿命に合う保守期間を共同で求めました。

2011年〜現在

東芝

J7
ユーザー企業LFスポンサー共同プロジェクト
LTSICIP長期保守テスト

家電向けLTSIに参加し、2016年からはCivil Infrastructure Platformを主導しました。発電所や交通など、長期間稼働する機器へLinuxを組み込む立場が確認できます。

2011年〜現在

パナソニック

J8
ユーザー企業LFスポンサーAGL理事
LTSI組み込みLinux車載仮想化

LTSIで家電向けカーネルの保守に参加しました。近年はAutomotive Grade Linuxの理事企業として車載基盤に関わり、2025年には仮想化を使うSoDeVをHondaと共同で主導しました。

01
1999–2010

大規模サーバーと基幹システム

富士通・NEC・日立

大容量メモリ、NUMA、hotplug、障害検出、ダンプ、トレースへ活動が集まりました。サーバーを販売し、自社でも顧客システムを支える企業が、運用中に壊れ方を調べて復旧する機能を上流へ送りました。

02
2003–2011

セキュリティと組み込み製品

NTT DATA・ソニー・家電各社

TOMOYOやNILFSのメインライン化が進みました。家電各社は起動時間、試験、製品で使うカーネルの保守期間を共同課題として扱いました。

03
2011–現在

長期保守、車載、社会インフラ

東芝・パナソニック・ルネサスほか

LTSI、CIP、AGLを通じて、長期更新、テスト、SoC対応、車載向け仮想化を共同開発しています。この層はメインラインのコミットに加え、保守用カーネルと試験基盤も成果に含みます。